【実践大家コラム 10】不動産投資への参入の遅れを一気に挽回。ロケットスタート戦略①

今回は10年前に筆者が採用した戦略を、シンCFを踏まえながらご紹介します。当時に比べ不動産投資の環境は大きく変化していますが、その考え方は今でも通用する部分があるかと思います。

冷ややかな視線を受けながら2億6800万円の築古RCを購入

私が不動産投資を始めたのは2012年です。当時は築古RCマンション、築古木造アパート、新築マンション、築古戸建など、どこから不動産投資に参入するか様々な議論が飛び交い、マウント取り合戦が繰り広げられていました。

そのような中、私は築古RCを選択しました。当時50歳だったので、不動産投資を始めるには遅きに失した感があったのです。そこで、出遅れた分を一気に挽回すべく、シンCFが最も大きくなる築古RCにターゲットを絞りました。毎月のCFも、隠れた貯蓄も、最大限に獲得しようとしたわけです。そのお金をもとに次の物件を購入していくという戦略をとりました。

しかしながら当時は築古RCが花盛り。特に1億円前後の優良物件には熾烈な競争が待っていました。物件情報が掲載されるやいなや、夜討ち朝駆けで車を走らせて現地に向かいました。しかしながら「これは!」と思う物件には、たいてい先に到着している人がいました。すぐさまコンビニから買付証明書をFAXしても、一番手をとることができませんでした。

悶々とした日々が続いたのですが、ある日、以下のような物件情報が舞い込んできました。表に出る前の物件です。

●東京都郊外、駅徒歩15分
●築25年の4階建てRCマンション
●2億6800万円(大規模修繕、空室のリフォーム費用込み)
●表面利回り10.5%
●36室、うち空室24(空室率66%)

当時の教科書的にはダメダメ物件でした。以下のような物件が良いとされていたからです。

●表面利回り12%以上
●築20年以内
●駅徒歩10分以内
●価格1億円前後(売却しやすいため)

まったくの初心者が初めて購入する物件が2億6800万円。周囲の先輩不動産投資家から、散々ダメ出しをくらいました💦

そんな中、現在ギガ大家で不動産投資本も出版している筆者の大親友だけは、そっと背中を押してくれました。決め台詞は「2億6800万円は確かに高いけど、9000万円の物件を3棟まとめて買ったと思えばいいんじゃない?」でした。
融資は当時とても積極的だったS銀行。金利4.5%、期間30年、フルローンでした。

購入前のシンCFの試算

当時から隠れた貯蓄が不動産投資の醍醐味だと考えていたので、購入前にシンCFも計算しました。物件の保有期間を10年とした場合の目論見は以下のとおりでした。

前回モデルケースとして提示した棒グラフの右端に、購入した築古RCを書き足してみます。2億6800万円の物件です。いかにその規模が大きいか、一目瞭然ですね。

毎月手にするCFの10年間の累計は6059万円。
一方、隠れた貯蓄(=返済が完了した元金)の10年間の累計は5398万円。
10年間保有した場合のシンCFは1億1457万円と試算できました。

つまりこの物件を購入して10年間運営したとすると、合計1億1457万円を手にすることになるのです。

税引き前の数字なので、実際の手取りはこれより少なくなりますが、とても魅力的な数字に思えました。9000万円の物件を3棟同時に購入するのと同じなので、当然のシミュレーション結果ですね。

まとめ

すべてにおいて完璧な物件を手に入れるのは至難のワザ。これは今も昔も変わりません。私の場合は築古RCを選択したのですが、以下の2つにおいて、一般常識からはずれる選択をしました。

●物件の規模
1億円程度が良いとされていたが、購入した物件は2億6800万円
●表面利回り
12%以上が良いとされていたが、購入した物件は10.5%

当時の私の優先事項は、不動産投資への出遅れをリカバーするためのロケットスタートだったので、上記の2点には目をつぶりました。

少々長くなってしまったので、続きは次回に😀

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