【実践大家コラム 11】不動産投資への参入の遅れを一気に挽回。ロケットスタート戦略②

前回の続きです。
今回は、一棟目の2億6800万円の築古RCを購入すると決断したときの私の心境について、補足してみようと思います。

誰が何と言おうと、ロケットスタート戦略で突き進む!

表面利回り10.5%というのは、2022年の市況では良い数字かもしれません。しかしながら、10年前は「10.5%なんて低すぎる。最低でも12%はないと・・・」と笑われました。しかしながら私は隠れた貯蓄に注目していたので、以下のように考えることにしました。

「表面利回りが低い分、毎月のCFは少ない。が、隠れた貯蓄は表面利回りとは無関係。12%だろうと10.5%だろうと、借入金額が変わらない限り、同額の隠れた貯蓄が積みあがって行く。頑張って10年運用して、購入価格と同額で売却できれば、5398万円もの隠れた貯蓄を一気に手にすることができるのだ。なんと素晴らしいことじゃないか!」

また、こうも言われました。「2億6800万円なんて売却時に苦労するに決まっている!」「10年後には築35年だ。購入時と同じ価格で売れるはずがない!」

確かに売却時に苦労するかもしれません。しかしながら不動産の売却は、車の販売とは違います。多くの人に購入してもらう必要はまったくありません。たった一人の購入者を見つければそれで良いのです。こう考えて、この築古RCの購入を決断しました。

それと同時にこの戦略を「ロケットスタート戦略」と名付けました。飛行機のように滑走路を経て徐々に上昇していくのではなく、ロケットのように垂直に上昇して、一気に高みに昇ろうという意味です。

不動産投資への出遅れを一気に挽回すべく、個人投資家としては比較的大きなシン・キャッシュフローを叩き出す物件を購入しました。猛烈なスタートダッシュを決めて、そこから得られるキャッシュをもとに、物件を買い増していくという戦略です。

利益とはリスクをとった者に対するご褒美!

シン・キャッシュフローという言葉は筆者の造語です。シン・ウルトラマンを見ていて思いつきました。物件の真(シン)の価値を把握するための指標であることは、先の一連の記事でお示ししたとおりです。

もちろん10年前には、このような言葉はありませんでした。しかしながらこの考え方自体は、当時から私の頭の中にありました。おかげで周囲の嘲笑を受けながらも、ある程度の確信を持って1棟目の購入を決断できたのです。

もちろんリスクは承知のうえでした。不動産投資を始める前から株式投資などをしていた私は「利益とはリスクをとった者に対するご褒美」と理解していたので、勇気をもって第一歩を踏み出すことができました。

結末を先に言うと・・・

結末を先に申し上げると、この築古RCは10年後に2億8000万円で売却しました。購入価格が2億6800万円だったので、それを1200万円上回る売却価格です。また売却までの間に隠れた貯蓄を積み上げた結果、売却時の借入残高は1億9000万円まで下がっていました。したがって税引き前の売却益は9000万円です。

ここで「隠れた貯蓄の試算は5398万円だったのでは? 」と気づかれた方がいるかもしれません。その種明かしは、次回以降に詳しくお伝えしようと思います。

不動産投資は決して不労所得ではありません。頑張った分だけ、あるいは勉強した分だけ、自分の利益として跳ね返ってくるのが不動産投資です。これこそが醍醐味ではないかなーと、今も思っています。

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